レッドアイアン1/35 KAZ-606Aトレーラーヘッド

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レジン製フルキット

 グルジア共和国(現ジョージア)のクタイシ自動車工場(KAZ)は1951年から操業を始め、当初はZiS-150トラックを「KAZ-585B」という名称で生産をしていましたが、1959年より「KAZ-606コルヒダ」の生産を開始します。

 率直に言ってKAZ-606は技術的には見るべき点はなく、むしろ沢山の問題を抱えていました。この車の最大の特徴は、中央省庁からの命令や指示ではなく、工場の技師たちが独自開発したことです。

 クタイシ自動車工場の技師たちは自分たちの手で新しいトラックを作りたいと望み、ZiL-164のユニットを流用してトラックの開発を始めます。彼らが着目したのはエンジンやトランスミッションなどの基本構造ではなく、キャブの居住性でした。
 KAZの技師たちは長距離ドライバーのためにキャブ内部に寝台の設置を考えました。広い運転室とするためにはZiS-150やZiL-164のようなボンネット式ではなくキャブオーバー式とし、ZiL-164のシャシーフレームを再設計してエンジン位置を変更し、キャブの前方オーバーハングを大きくすべく、ホイールベースも短くしてユニークなKAZ-606トラックを完成させます。

チェコのシュコダ706RTから影響を受けたであろうキャブのデザインは好評で、ソ連初の寝台付きで、価格も安価とあって、KAZ-606トラックは発売されると多くの長距離ドライバーたちが飛びつきました。

しかし、キャブはシャシーフレームに頑丈に固定されており、エンジンの重整備をするには運転席内部のエンジンカバーを外すだけでなく、キャブをシャシーから分離せねばならず、整備士泣かせでした。

さらに充分な検証や実験をせず安易にトラックのホイールベース長を縮めたことが致命傷となり、一定以上の速度でカーブに入ると簡単に横滑りや横転事故を起こすため「サーカスの馬」という不名誉なニックネームを付けられました。この結果、クタイシ自動車工場ではKAZ-606トラックの生産を早々に中止し、キャブを利用してトレーラーヘッドを生産することになりました。

トレーラーと連結して走行するトレーラーヘッドでは、トラックのような横転事故は減ったものの、大型キャブはオリジナルのZiL-164のボンネットキャブよりも、かなり重いのにエンジンはZiL-164のままだったので根本的に出力不足で、荷物を満載したトレーラーに連結すると動力性能が著しく低下しました。

当時、KAZ-606トレーラーヘッドのドライバーの間では定番のクイズがありました。「コルヒダで坂道を上れば上るほど増えるものは何?」答えは「エンジン過熱による車内の温度と、滑り落ちるかもしれないというドライバーの恐怖」で、この他にもKAZ-606についてのジョークや替え歌がたくさんありました。

このように「コルヒダ」トレーラーヘッドは出力不足、燃費の悪さ、走行安定性の悪さなど問題を克服できず、僅か2年で生産は終了します。

1961年からクタイシ自動車工場は、ZiL-164Aをベースとした改良型のKAZ-606Aトレーラーヘッドの生産を始めます。KAZ-606Aはエンジン出力が向上し、トランスミッションも改良され、走行安定性以外の問題点を改善したため、再び長距離ドライバーの間で大人気となりました。

彼らにとって606から引き継いだ606Aの美しく広く快適なキャブは、走行安定性の悪さを補って余りある魅力で、いつしかKAZ-606Aを乗りこなす者がベテラン・ドライバーだと考えられるようになりました。


後継のKAZ-608ではZiL-130をベースとし、新しいフレーム、前方に開閉式キャブ、さらにV8エンジンとなり、ようやく誰もが納得するトレーラーヘッドが完成しました。しかし後年、廃車から外した606と606Aのキャブを他メーカーのキャブオーバートラックに移植することが中央アジアのベテランドライバーを中心に流行るほど、このキャブデザインは愛されていたのです。


今回、レッドアイアンでは改良されたKAZ-606Aを製品化しました。デカール・エッチング付きです。


*送料無料です。


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